遺言と銀行口座の凍結解除
銀行口座の凍結
銀行口座の名義人が亡くなると、口座が凍結されて引出しも入金もできなくなります。生活面では生活費をおろすこともできず、公共料金・クレジットカード代金等の引き落としも滞ります。個人事業主の場合は事業関連の支払いも入金も停止されてしまいます。
口座凍結の解除は時間がかかる、
この口座凍結を解除するためには、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を全て取り寄せるとともに、その戸籍から判明する全ての相続人が同意書に実印を押し、全員分の印鑑証明書と戸籍謄本を添付して銀行に申請しなければなりません。相続人全員が市内に住んでいればまだしも、遠く離れて暮らす人がいる場合は時間がかかります。万一、同意を得られないときは更に大変です。
公正証書遺言があれば圧倒的に早い
もし公正証書遺言で、主たる銀行口座を同居の家族や跡継ぎに相続させるよう指定しておけば、こういった問題を一気に回避できます。ポイントは公正証書遺言で、かつ遺言執行者を信頼できる人(口座を引き継ぐ人が良いでしょう)に指定しておくことです。そうすれば、凍結解除に必要な書類は
- 遺言
- 遺言した人の死亡が分かる戸籍謄本
- 口座を相続する人の戸籍謄本、
- 遺言執行者の印鑑証明
の4つで済みます(詳しい手続は銀行によって異なります)。
自筆遺言証書では逆効果になることも
上記は、公正証書遺言ならではのメリットです。もし同じ内容を自筆証書遺言で残した場合、「裁判所による検認」を受けなければ凍結解除手続に進めません。この検認は時間がかかり、通常1ヵ月〜1ヵ月半かかります。場合によっては遺言があったために余計遅くなった、なんてことになるかもしれません。事業や生活に密着している銀行口座を遺言で相続させるときは、こういった点にも留意してください。
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当ホームページの記述は、一般の方に分かりやすく説明できるよう、法律の詳細な適用条件などを省略した記述になっている場合があります。このため、個別の事例に必ずしも当てはまらないことがありますので、具体的な事案については最寄の専門家または当事務所にご相談ください。
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